編者の編み物74

 

だんだんと秋らしくなってきたと思えば、もうすぐ9月も終わりです。

この日の教室では、今年の第50回黄墨会展のポスターやハガキの絵になっている、先生の絵をお手本に、冬の会津の風景を描きました。

ポスターの絵を見ていると、今にも雪が降りそうな曇天の下に、凛とした真冬の空気感が漂い、降り積もった雪の間を音もなく流れる川面の風景のように見えました。これは家か木かなど、見る人それぞれの解釈ができて、見ていて飽きない絵だなぁと改めて思いました。

先生がお手本を描かれるのを見ていると、具象と抽象の間を描いているようで、あっという間に会津の雪景色が描き上がりました。あまり考え過ぎずに勢いよく描き、墨の偶然のにじみや濃淡を活かして、思うがままに描くことが大切だと感じました。

それぞれの会津風景が描き上がったところで、先生が茅葺集落の絵を描いてくださいました。

写真を見ると、茅葺の家々の屋根には雪がずっしり積もっていて、豪雪地帯の暮らしの大変さが感じられました。絵になる過程を見ていると、背景の杉の木も、家と同じく風雪に耐えて立っていることに気づき、とても印象的に思えました。