編者の編み物35

第48回黄墨会展も、いよいよ来月に迫ってきました。教室では、着々と出品作品の制作が進められ、完成へと向かう作品も増えてきています。

この日は、抽象画のように印象的な作品を描きたいという生徒さんが居られ、いくつかの光景を並べ、一つの絵として仕上げようとされていました。部屋の中の椅子や窓、観葉植物の配置など、いろいろな案を考えては試作として描いて来られました。各パーツの配置が少しずつ変えられた絵は、どれも構図としては絵になっているので、それぞれが作品になりそうでした。一方で、全てを忠実に表現するのではなく、ちょっとした部分を工夫してみることで、観る人に想像させるような絵になるとの意見も出て、表現の多様性や墨での表現の奥深さを感じることができました。

展覧会は、一年間の活動の成果を発表するとともに、新たな水墨画表現の可能性を提示する機会でもあります。現代感覚で描かれた水墨画に触れる中で、これまで見たことがなかったような絵や、感性や感覚が研ぎ澄まされるような絵に出会っていただけるよう、準備を進めています。