編者の編み物22

まだまだ寒い日が続いていますが、だんだんと春が近づいている気配がしています。

5月には黄墨会展が開催されますが、出品する作品をそろそろ準備をせねば・・と意気込み始めた今日この頃です。

この日の教室では、葡萄を描いてきた方が居られました。

写真やスケッチを拝見したところ、蔓や枝が複雑に折り重なっていて、ところどころに光が差し込んでいたり、大きな葉や小さな葉が見えたりと、多くの変化があるように思えます。

写真のように、見たままを丁寧に描いてしまっては、説明し過ぎてしまい、つまらない絵になってしまいます。複雑な葡萄の房や葉を、墨だけで表現することは難しいですが、できるだけ少ない筆数で単純化しつつも、複雑に見えるように描こうとすることは、水墨画の魅力の一つと言えるかもしれません。まず大胆に葡萄の房や葉を描いてから、細部を描いていくことで、遠近感や質感などを表現していく方法を学ばれていました。

葡萄のみずみずしさと、吹き抜ける涼風が感じられるような絵になればと願っています。