俳句と水墨画と聞くと、日本の文化を語る上で、どちらも欠かすことのできないものだと言えるでしょう。
ある生徒さんは、古くから俳句を詠まれていて、水墨画に出会われたそうで、水墨画歴は、今年で21年目に入ったそうです。
以前、俳句と水墨画は、どこか似ているところがある・・と仰っていたので、俳句と水墨画の共通するところを聞いてみました。
共通点は、ずばり、省略と推敲だと仰っていました。余分なものは削る、対象の本質をつかむ、この二つが最も重要だとのことでした。
俳句は、17音の限られた文字だけで、水墨画は、和紙と墨だけで表現するという点は違いますが、日常のふとした発見や驚き、美しい風景や季節の移り変わりなど、感じたものをそのまま表現するという点では、どちらも似ているのかもしれません。
俳句と水墨画をやっていて、それぞれの表現の幅が広がったと仰います。ある時は文字で、またある時は絵で表現することで、同じものを違ったアプローチで捉えることができるからかもしれません。
先日の教室では、春にちなんだ歌を、即興で詠んでくださいました。
春の靄 水墨の嶺 あらはるる
一瞬にして生み出された言葉の技に、先生や教室の一同が、心を動かされていたようです。