「秋の日は釣瓶落とし」と言われるように、日が沈むのも早くなり、日に日に秋が深まっているように思えます。
今回は、故・相田黄平先生の「南瓜など」という作品をご紹介します。
南瓜にトウモロコシと茄子、キリギリスが描かれていますが、いかにもこの季節にふさわしい、秋を感じさせる作品です。南瓜もトウモロコシも茄子も、今では一年中食べられる野菜ですが、かつては夏の終わりから秋にかけての野菜として知られていました。今となってはキリギリスが唯一、この絵の中では秋を感じさせるものと言えるでしょうか。
都会に暮らしているとついつい季節感を忘れがちですが、名月を眺めながら虫の音を聴いて、季節感を味わいたいものです。食欲の秋や運動の秋、読書の秋に芸術の秋と、秋の楽しみはさまざまありますが、深まる秋を楽しんで、日々を過ごして行ければと思います。